30代シングルマザーでも看護学校へ通えた!お金・育児・人間関係のリアルな話

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シングルマザーが看護学校に通えるの?

「手に職をつけたい。シングルマザーで看護学校に通うのは厳しい?」

看護師になりたい気持ちはあっても、お金、育児、年齢のこと、そして若いクラスメイトとの関係など、30代シングルマザーは不安がいっぱいですよね。

筆者

わたしも30代で看護学校に入学したひとり。実は20代の頃に一度あきらめたこともありました。

それでも「3年間だけがんばってみよう」と決意して飛び込んだ結果、あの決断がわたしの人生を大きく変えてくれました。

この記事では、看護師歴10年の筆者が、30代で看護学校に通っていた当時のリアルな経験をもとに、金銭面・人間関係・子どもとの時間のことなどをお伝えします。

一歩踏み出すか迷っているあなたに、少しでもヒントや勇気を届けられればうれしいです。

この記事でわかること
  • 看護学校の学費・生活費はどうやって乗り切ったの?
  • 育児との両立はできる?
  • 年下の学生たちとやっていける?
  • 看護師になってよかった?
目次

シングルマザーで看護学生は思ったより辛くなかった!リアルな感想

リアルな話

3年間の看護学校生活を終えた卒業式。充実感や達成感でいっぱいだったのをはっきり覚えています。

実習中や国家試験前の数ヶ月は、ストレスや睡眠不足が続く日々もありました。学校生活では友人関係で悩んだことも。しかし、それらを乗り越えて無事看護師になったことで、「自分にもできた」と大きな自信となりました。

子どもに「がんばる母の姿」をみてもらえたのも大きかったです。勉強グッズを整理するボックスやシャーペンをプレゼントしてくれたり、お守りをくれたり。わが子からのやさしい「エール」もたくさん受け取ることができました。

長い人生のたった3年間。シングルマザーで学生になるなんて、なかなか体験することのない貴重な経験です。医療の現場で必要な知識だけでなく、人間関係家族・友だちとの絆も感じられる、濃厚な3年間だったと思います。

【お金のこと】生活費と学費は「高等職業訓練促進給付金」+奨学金で

お金のこと

看護学校入学を決意したものの、その時の貯金は限りなくゼロに近かったと思います。生活費と学費は、自治体が支給してくれる「高等職業促進給付金」奨学金を併用してやりくりをしていました。まずは、私の3年間の「お金の話」をお伝えします。

生活費は毎月約14万円でやりくり

毎月の生活費は、ざっくり約14万円ほどでやりくりをしていました。

貯蓄がなかったので、自治体から支給してもらえる「高等職業訓練促進給付金」と奨学金で生活費をまかなっていました。

給付金と奨学金の内訳
  • 高等職業訓練促進給付金 約10万円/月
  • 奨学金 約4万円/月

「高等職業訓練促進給付金」とは、シングルマザーなどのひとり親家庭の方が、看護師などの資格を取得するために学校に通っている間、毎月の生活費を支援してもらえる制度です。

筆者

支給条件や対象は自治体によって違うので、まずはお住まいの自治体に確認してみてくださいね。

看護学校入学前の手取りのお給料も毎月約14万円ほどだったので、それと同じ額になるよう奨学金で補填していました。奨学金は、学校卒業後に返済義務のあるものでした。

看護学校入学当時のわたしの状況
  • わたし 32歳 
  • 娘 小学2年生
  • 賃貸アパートで二人暮らし
  • 徒歩15分ほどの距離に実家あり
  • 実家からの金銭的な援助はなし(食べることは助けてもらうことがあった)
  • 貯金額はほぼゼロ(教科書代数万円分を買えるくらいの額はあった)
  • 養育費の受け取りなし
  • 児童扶養手当と児童手当は子どもの将来に備え貯蓄

看護学校入学前から、児童扶養手当や児童手当は娘の将来に備えた貯蓄に回していました。娘のための貯蓄は絶対に続けたいと思っていたので、学生期間も生活費には充てずに貯蓄を継続。

月14万円の生活は本当にギリギリでした。

学費は「お礼奉公」で実質ゼロ

3年間の学費約200万円弱は、専門学校が運営する病院に就職かつ3年間の就業で免除になるという、いわゆる「お礼奉公」制度を利用しました。

筆者

卒業後の就職先が限られているというデメリットはあるものの、学費免除はシングルにとってありがたい制度です。

学費の他に、教科書代や実習用のユニフォーム代など、教材費は別途支払う必要がありました。数万円単位だったのでけっこうキツかったですが、在学中は時々バイトに行ったり、どうしても足りない時は泣く泣く児童手当等からまかなっていました。

お金はギリギリだけど毎日充実していた

看護学校入学前から毎月14万円ほどで生活していたので、学生になったからといって大きく生活が困窮することはありませんでした。

ギリギリの生活には慣れていたというわけです。ボーナスがなくなったり、奨学金という借金を背負ったり、その間はもちろん貯金もできなかったりと、今思えばリスキーな生活を送っていました。

しかし、お金がなくても娘と一緒に過ごすのは楽しく、かけがえのない日々の連続。わたしにとっては、娘の存在が毎日をがんばる活力になっていました。

【看護学校の人間関係】シングルマザーでも仲間ができた!年齢の壁は超えられる

人間関係

最近は社会人で看護学校に入学する人が多いとはいえ、クラスメイトのほとんどが高校を卒業したばかりの若者たち。何よりも、クラスに馴染めるのかが一番の不安要素でした。ここでは、私の看護学校時代の「交流関係」についてお話します。

年齢の壁は感じなくなる!「人として」の相性が大切

入学当時は若いクラスメイトとのコミュニケーションに戸惑っていましたが、卒業する頃には普通に打ち解けていました。

人間、長い年月をともに過ごすと慣れるのです。看護学校はグループワークや実習など、クラスメイトと深く関わることも多いです。

筆者

今まで話したことがなかったけれど、実習を機に仲良くなれる、なんてこともあります。

わたしは、入学当時は社会人グループにいましたが、途中からは現役の子たちと過ごしていました。「社会人」という共通点だけで集まったグループの居心地が悪かったのです。

「友だちをつくりにきたのではない」と割り切って、臨機応変に若い子たちと一緒に過ごしていました。中には、わたしの娘を交えて、お泊りや旅行をするほど仲良くなった子もいました。

筆者

娘も、やさしいお姉さんに遊んでもらえて、とてもうれしそうでした♪

「年齢が近い=気が合う」わけではありません。私と現役生の年の差は15歳ありましたが、変に気をつかうことなく接してくれた同期の仲間には、感謝でいっぱいです。

集団行動がしんどいことも⋯。

一番大変だったのが、「学校」という独特の集団生活を30代で送ることでした。

社会に出ると、「常に一緒に誰かと行動する」とか「誰と一緒にランチを食べるか」とか気にすることがなくなります。しかし、私が通っていた専門学校は、ガッツリ高校の延長のような、わりと自由度の低い学校でした。(気軽に一人でランチできる気の利いた場所もない学校でした⋯)

筆者

大学のような雰囲気をイメージしていた分、ギャップが大きく苦労しました。

なんとか違和感はなくなりましたが、最後まで慣れることはなく、「早く就職したい」と思うことも多々ありました。

先生がよき相談相手になってくれた

看護学生の時、心の支えになってくれたのは、先生方の存在でした。

進路や子育てのことまで親身に相談に乗ってくれて、何度も助けられたのを覚えています。

先生は、やっぱり看護師。人の表情や空気の変化にすごく敏感で、こちらが何も言わなくても「どうしたの?」と声をかけてくれるんです。

たとえば、最初にいた社会人グループから離れたときのこと。気まずさもあり、しんどい状況だったわたしに、ある先生が「大丈夫?」と、さりげなく声をかけてくれました。その言葉にどれだけ心が軽くなったか⋯。今でもはっきり覚えています。

卒業後、就職先の病院で実習の担当教員として帯同した先生に再会できたときも、無性にホッとする自分がいました。「あの頃の自分も悪くなかった」と思えた瞬間でした。

筆者

娘のスイミングでばったり会った先生と、ママ友のように世間話をすることもありました(^^)

【看護学生の時間の使い方】勉強と親子時間・確保のポイントは「メリハリ」

時間の使い方

看護学生は実習や勉強で忙しく、家事育児との両立が難しいのかな、と思っていました。実際は、時間に追われることもありましたが、フルで働いていた時よりも子どもとの時間をたくさん過ごすことができました。私の時間の使い方について振り返ります。

完璧を目指さない!勉強は効率化&時間を決めて集中する

最終的な目標は「国家試験合格」だったので、とにかく「合格ラインに到達すること」を目標に勉強をしました。

看護学校に入って最初のテスト前、寝る間も惜しんで必死に勉強した結果、なんとクラスで1位の成績を取ることができたのです。この時、「こんなに勉強しなくても、落第しなければいいんだ」と思い、それからは要点を絞って勉強するようになりました。

とはいえ、要点なんてわからなかったので、とにかく授業をしっかり聞き、授業中にテスト勉強も兼ねることを意識。テスト前は、問題集をひたすら解いて7〜8割できたらOKと決めていました。

筆者

座席も自ら志願して、常に前の方をキープ。わからないことは先生に聞く!!

自宅での勉強時間も、子どもが寝てからの2〜3時間と決めていたのも効果があったと思います。ダラダラ時間をかけるよりも、集中することができました。

意外と充実|長期休みは子どもとたっぷり過ごせた

フルタイムで仕事をしていたときよりも拘束時間が減ったこと、夏休みなど長期休みがとれたことで、子どもとの時間をたっぷり過ごすことができました。

看護学校入学前は、契約社員としてフルタイムで事務の仕事をしていました。その時は8時半〜17時まで就業していたのですが、看護学校の授業は9時〜16時すぎまで。娘の登下校を見守ることができたし、夏休みには一緒に工作したり川で遊んだり、とても充実していました。

筆者

フルで働き続けていたら、こんな時間は過ごせていなかっただろうと思います。

辛かったのは実習中と国家試験前

普段の時間の使い方は充実そのものだったのですが、実習中と国家試験前はさすがに辛かったです。

私の通っていた看護学校では、当時、実習開始から5日目に受け持ち患者の情報収集とアセスメント(患者さんの状態を多角的に分析する作業)、看護問題を立案して提出しなければなりませんでした。しかもすべて手書きです。

筆者

実習でヘトヘトの帰宅後に作業しなければいけません。それは膨大な量で、時には新品のボールペンのインクを使い切ってしまうことも⋯。

初日からコツコツ進めればいいのですが、「明日やろう」を繰り返し、提出日前日は毎回徹夜で実習に挑んでいました。本当に辛かったです(計画的でない自分が悪いのですが)。

国家試験の1〜2ヶ月前は、ひたすら国試対策の勉強。登校日は、ひたすら自己学習。登校日以外も、娘が帰宅するまではひたすら自己学習。運動量の低下と国家試験へのプレッシャーから、これまで経験したことがないひどい便秘に悩まされるハメに。

実習と国家試験だけは、もう二度と経験したくないです。

シングルマザーの私にもできた!看護学校に通った3年間とその先

まとめ

シングルマザーで看護学校に通うなんて、きっと無理だと思っていました。

でも実際は、給付金や奨学金を活用すれば、金銭的な問題はクリアできました。学費もお礼奉公で実質ゼロ。就職後にコツコツとお金を貯め、奨学金も3年以内にまとめて返済できました。

在学中は、実習や人間関係で悩むこともありました。でもその分、年齢を超えた新しい仲間、支えてくれた先生、そして娘と過ごす時間など、得られたものもたくさんあります。

今は看護師として働きながら、昔よりも安定した暮らしができています。

月収14万円の頃には、大好きだけど高くてなかなか買えなかった季節のフルーツ。それは娘が今でもよく言っています。「あの時はいちごなんて食べられへんかったよな」って。

私が看護師を目指したのは、「子どもに関わる仕事に就きたかった」というのも大きな理由の一つです。その夢も叶えることができました。

新しい道を選ぶとき、不安がない人なんていません。でも、その一歩が未来を大きく変えることもあります。

あなたの選択が、希望につながりますように。

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